本殿は「天下無双の大廈(たいか)」と称えられたほどの建築物。
その高さは十六丈(約48メ-トル)にも達したといわれる。
*現在の本殿は、高さ八丈(約24メ-トル)
それでも日本一の高さである。
大きな特徴となるのは、柱ではないだろうか。
すべて円柱で、当時は両手で囲みきれないほどの大きさの3本の木を合わせ、
それを一本の柱とした。
その柱を九本。
「田」の字のように配列した中で
中心の柱を心御柱(しんのみはしら)と呼ぶ。
ちなみにこの心御柱があるのは大社造と神明造(伊勢神宮)だけ。
本殿の天井には、「八雲」とよばれる七つの雲の絵がある。
七つなのは、完成させないことによって
これからも発展してゆくため。。。など諸説あるけれど、
はっきりとしたことはわかっていない。
そもそも、どうして「八雲」なのか。
これは素盞嗚尊(すさのおのみこと)が
「八雲立つ 出雲八重垣 妻籠みに
八重垣作る その八重垣を」
と詠んだためといわれる。
八雲立つとは、雲が数限りなく湧き起こるという意味で
和歌では出雲の枕詞。
しかし、かつては八色の雲と解釈されたとか。
実際、ご本殿の天井の八雲は
今さっき描かれたかのような鮮やかさで
艶やかな色を目に焼き付けてくれた。
あれは八色あったのだろうか・・・。
この出雲大社のご祭神は大國主大神
(おおくにぬしのおおかみ=だいこくさま)。
縁結びの神様として名高いが、
だいこく様として、幸や恵みとの縁も結ぶといわれている、
むすびの神様である。
また幽冥主宰大神(かくりごとしろしめすおおかみ)
とも称されているのだが、
この幽冥とは、人々の亡くなった後の霊魂が帰る世界のこと。
つまり、この幽冥をおさめられる神というのは、
人々の霊魂をもおさめられる神でもあるのだ。
これはけちけちしてはいけないと、
少しは思っていただけたでしょうか?